海辺の白井医院は今日も・・・・・

インスリン抵抗性と高脂肪食。

 インスリン抵抗性の概念は1960年に血中濃度が測定できるようになってから始まりました。インスリンは糖尿病の病態を左右する主要因子です。測定が可能になった当時は、当然の予測として糖尿病患者さんは血中インスリン濃度が低いはず。実際は逆に高かったことが報告され、それ以降インスリン抵抗性(インスリン分泌量は充分あるけど効きが悪い状態)という課題が大きく取り上げられてきたんです。

このインスリン抵抗性の研究がこの十数年の間に糖尿病の治療に多大な影響を及ぼしてきました。e0294687_1054118.jpg

右の図はよく見かけるインスリン抵抗性の発生機序。これ以上無理なぐらい簡潔な図です。   もちろん間違いは無いのですが補足がが必要です!

1)肥満でもインスリン抵抗性がない方(インスリン濃度が正常)は沢山います。

2)インスリン抵抗性があるからといって、すぐに糖尿病に移行しやすい状態とは言えません。


インスリンといへば糖尿病!甘いお菓子とか炭水化物の過食がこのインスリン抵抗性主要因?と考えがちですが、最近の研究は違うようです!
e0294687_1242080.jpgインスリン抵抗性に最も影響する要因は、
左図に示したような内臓脂肪の脂肪細胞です。
e0294687_1254966.jpg
肥満で膨らんだ脂肪細胞からは肝臓や筋肉に作用してインスリンの効果を弱めてしまう物質(アデホカイン)分泌されます。特にインスリン抵抗性を促進するアデホカインは、TNF-α、レプチン、レジスチンです。
e0294687_17545160.png
上図はチアゾリジンというインスリン抵抗性を改善する治療薬の作用機序です。膨張した脂肪細胞を小さくすることで、インスリン抵抗性を促進してしまうアデホカインの分泌を減らして作用します。

脂肪細胞を膨張させ、インスリン抵抗性を促進するアデホカインの分泌を増やすのが、食物中の脂肪、特に飽和脂肪酸です。代表的なのがリノール酸。 同じ脂肪でも不飽和脂肪酸(魚油)は、これらのアデホカインの分泌を抑える作用がある。
e0294687_1561469.jpg

体重が変化しなくても、飽和脂肪酸(ハンバーガーとかフライドチキン)の摂取を控えれば、インスリン抵抗性は改善できると推察しています。
[PR]

by shirai55clinic | 2013-03-12 18:32 | 医学
<< 給食費未払いでトラブル!?・・... 2013年グラミー新人賞を獲っ... >>